生命保険とは、大勢の人がお金を負担し合い、万が一の時に給付を受けるという相互扶助の考えからできた仕組みです。死亡や病気・ケガ、介護などへの備えなど、いつ起きるかは予測できないけれども、まとまったお金が必要となるような場合に備えておくのが生命保険です。
また、将来の子供の教育費や老後の生活資金など、目的やお金が必要になる時期にあわせて資金を確保する手段としてもよく利用されています。つまり、その人に応じたライフプランにそって必要な生命保険への加入を検討することは、その人や家族が安心して暮らしていく上で大きなテーマと言えます。
生命保険は「住宅の次に高い買い物」といわれることもあり、日常生活には欠かせない金融商品と言えます。生命保険文化センターの実施した調査では、男性では80.6%、女性では81.3%と、日本人の約8割は生命保険に加入しているというデータが出ており、その重要性を示しています。
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死亡保険
死亡保険とは、保険の加入者である被保険者(保険にかかる人)が何らかの理由で死亡した際に、残された家族に対して保険金が支払われる生命保険です。万が一の保障のために加入する代表的な生命保険と言えます。この死亡保険には「定期保険」「終身保険」「収入保障保険」などいくつかの種類があります。高度障害や介護が必要になり働けなくなった場合に給付金が出るタイプの保険もあります。
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医療保険
医療保険とは、病気や怪我の治療にかかる経済的負担を軽減するために加入する保険です。政府が運営する公的医療保険(健康保険)だけではカバーしきれないと思われる負担分を、民間の保険会社が提供する医療保険で補うことが一般的です。医療保険には主に「終身医療保険」「定期医療保険」「引き受け緩和型」などが用意されていて、入院日額ごとに支払われるタイプのほか一時金が支給されるタイプもあります。また、女性向けの医療保険も開発されています。
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定期保険
定期保険とは、契約で決まった期間だけ保障を受けられる保険のことです。契約が終了した場合には返戻金が戻ってこないことから「掛け捨ての保険」と呼ばれることがあります。定期保険の特徴は少ない保険料(掛け金)で大きな死亡保障を準備できることと、必要な期間だけ保障を付けられることなどです。子育て世帯で加入が多い「収入保障保険」なども定期保険の一種です。
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終身保険
終身保険とは、文字通り死亡保障が一生涯続くのが特徴の保険です。被保険者が死亡した時に指定した保険金が受け取れるという、満期がない保険です。そしてもう一つの大きな特徴として貯蓄性がある点です。満期はありませんが途中で解約した際には解約返戻金が受け取れます。ただし早期の解約では支払った保険料を下回る場合がほとんどです。貯蓄性が高いとはいえ一生涯の死亡保障を確保するということが第一の目的と言えます。また相続対策において終身保険は必須ともいえる保険で、さまざまなケースで利用されています。
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介護保険
介護保険とは、公的制度である介護保険制度を補う目的で、民間の保険会社が販売しています。被保険者に介護が必要になった時に保険金が給付されます。公的介護保険では、40歳以上65歳未満の人は定められた疾病で要介護状態になったときにしか介護サービスを受けることができませんが、民間介護保険にはこのような制限はありません。高齢化社会が進み今後は公的制度だけでは不安だというような場合、民間の介護保険に加入することにより経済的負担を解消することができます。
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養老保険
養老保険(ようろう保険)とは、契約期間中の死亡保障があり、満期時には死亡保険金と同じ額の満期保険金が支払われる保険です。一番の特徴は保障と貯蓄を兼ね備えている点です。死亡保障額が同じ場合だと、他の種類の保険よりも保険料(掛け金)が割高になりますが、まとまったまとまった満期保険金が得られることからかつては貯蓄好きの傾向が強いといわれた日本では生命保険の主力商品ともいえた保険です。
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事業保険
事業保険とは特定の保険の名称を指すのではなく、「経営者の保障」「福利厚生」「退職金積み立て」などを目的として企業が加入する保険のことを言います。「法人保険」「企業保険」とも呼ばれます。企業経営における人的リスクの損失補てん、または従業員やその家族の生活保障のためにかける生命保険や、本業に係るリスクを補償するための損害保険などもあります。
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学資保険
学資保険(子供保険)とは、子どもの高校や大学進学時に必要な教育資金の準備を目的として、毎月の保険料を積み立てのように支払い続けることにより、計画的に教育資金を準備できる保険です。保険期間が満期を迎えた場合には満期保険金を受け取ることができ、仕組み自体は養老保険に似ていますが、学資保険ではその教育資金のための貯蓄を大きな柱として捉えています。
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がん保険
がん保険は、がんの治療にかかる経済的負担をカバーするために加入する保険です。医療保険に付加できる「がん特約」などでも備えることはできますが、がん保険はがん治療に特化した保障内容が充実しています。医療保険と同じように「定期型」「終身型」の2種類があり、一生涯の保障が付いている終身型が主流になっているようです。がんは日本人にとって最も不安要素の多い病気と言われており、がん保険に加入することで安心して治療に専念できることも期待できます。
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少額短期保険
少額短期保険(しょうがくたんきほけん)とは、一定事業規模の範囲内で、文字通り「少額」で「短期」の保険の引受けのみを行う事業のことです。「ミニ保険」とも呼ばれることもあります。通常の生命保険との違いは、保険期間が1年(損害保険分野については2年)以内で、1被保険者(保険にかかる人)について保険金額が1,000万円が上限となることなどです。最近は細やかなリスクをカバーするというニーズに特化した少額短期保険の商品も増えてきています。
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外貨建て保険
外貨建て保険(がいかだてほけん)とは、保険料の支払いや保険金の受け取りが外貨で行われる保険です。大きな特徴は「円建てで加入する保険よりも死亡保障が大きくなる」「円建ての保険よりも高い利率が設定されている」「為替レートによっては将来受け取る満期金や解約金が増えている可能性がある」などがあります。外貨建て保険には「終身保険」「養老保険」「個人年金保険」など多彩な種類があり、貯蓄や資産運用の手段としても人気がある保険です。
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女性向け保険
女性向け保険とは、女性特有の病気やがんに対して手厚い保障が付いた保険のことです。特に医療保険やがん保険の中で、女性特有の妊娠や出産、子宮や卵巣に関する病気やがんなどに備えたい人が加入する保険です。大きな特徴としては、女性特有の病気になった際、「通常の医療保険と比べて倍近くの保険金が支給される」「一定期間ごとにボーナスがもらえる」「女性の健康上の相談窓口がある」などがあります。妊娠や出産に関わる病気や手術も保障されたり、女性特有の病気以外も保障対象になります。
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団体信用生命保険
団体信用生命保険は、略して『団信』(だんしん)と呼ばれる住宅ローン専門の生命保険のことで、住宅ローンを借りた人が亡くなった場合や高度障害の状態になった場合に、金融機関が残ったローンを支払ってくれる仕組みになっていてその保険料はローン金利に組み込まれています。住宅ローンを申し込む際にはほとんどが団信への加入が条件とされていますが、利用する住宅ローンによっては任意加入のケースもあります。最近では三大疾病保障付保険・七大疾病保障付保険・八大疾病保障付保険なども登場しています。
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個人年金保険
個人年金保険とは、公的年金を補てんする目的で加入する私的年金と呼ばれるものの1つです。契約時に定めた年齢から、一定期間もしくは一生涯にわたって毎年一定額の年金が受け取れるという貯蓄型の保険です。老後資金のための積み立てだけでなく、教育資金や住宅資金の積み立てなどにも利用されることがあります。保険商品の中ではもっとも貯蓄効率が高いとされています。